アクリル樹脂系塗料によるカチオン電着塗装(黒色)について

写真 電着塗装法とは、低濃度の水溶性塗料(あるいは水分散性樹脂)溶液のなかに被塗装物を入れ、対極との間に直流電流を流し、 塗料の薄い膜を析出させる方法です。 塗装にはアニオン電着塗装とカチオン電着塗装の2種類があり、被塗装物を陽極にし、 塗料を陰極に帯電させる場合をアニオン電着塗装といいます。 「アニオン」とは「陰イオン」のことです。 またこれとは逆に被塗装物を陰極にし、塗料を陽極に帯電させるのがカチオン電着塗装です。

カチオン電着塗装方法は、被塗物を陰極とするため、金属イオンの溶出しがなく、 鉄、アルミ、マグネシュウム、 さらに変色が起きずに銅、銅合金ならびに銀メッキなどにも塗装することができます。

この場合には、塗料は陰極側に集まります。また、同時にそれぞれの電極で化学反応が起こり塗料が皮膜を形成させます。 化学反応が進行することで、 陰極のそばの塗料は、ますます凝集し、不溶性の樹脂(ポリマー)となって、塗膜を形成します。 そして、塗料が完成した部分は、導電性がなくなり それ以上の膜形成は行なわれません。 このように電着塗装は塗膜の均一性、密着性がよく、耐蝕性に優れているという特徴があります。

また、塗装の自動化も容易で、大量生産に適しています。
さらに、厚みの制御も容易で、電圧での管理が行なえます。
カチオン系の電着塗装の最大の特徴は、 その耐食性にあり、 塩水噴霧800時間以上のテストでも錆の発生は、ナイフによって傷を付けた極わずかな所を別にすれば、全くと云っていい程ありません。 したがって自動車部品に多く採用されています 。色は黒色で半艶、塗膜の厚みは、通常13〜20ミクロンで、電圧によって多少変えることが出来ます。



塗膜性能比較
試験項目 メラニン
(スプレータイプ)
アニオン
(ED)
カチオン
(CEDS-20黒)
備考
試験板
作成条件
前処理 リン酸鉄系
(Bt-525T)
リン酸鉄系
(Bt-525T)
リン酸鉄系
(Bt-525T)
焼付条件 130℃×20min 170℃×20min 180℃×20min
塗膜性能 膜厚(μ) 20μ 20μ 20μ
光沢 85〜95 50〜70 50〜70 60°-60°鏡面反射
硬度 F〜H F〜H H〜2H 三菱hi-uni
ゴバン目 100/100 100/100 100/100 1mm升目100個
エリクセン 6〜8mm 6〜8mm 6〜8mm
衝撃性 40〜50cm 50cm 30〜50cm 500g×1/2"
屈曲性 4〜3mm 4〜3mm 4〜3mm
耐水性 240Hr 500Hr 500Hr 40℃純水浸漬
耐湿性 120Hr 120Hr 240Hr 50℃ 100%RH
耐アルカリ性 48Hr 96Hr 720Hr 0.1N NaOH/20℃
耐酸性 48Hr 96Hr 720Hr 0.1N H2So4/20℃
耐蝕性10μ 48Hr 120Hr 460Hr
耐蝕性20μ 72Hr 168Hr 560Hr

アルムニウムのアルマイト表面処理(白色)について

アルミニウムの表面は、酸化皮膜で保護されており一般に耐食性はよいのですが、この皮膜は非常に薄いためそのままではあらゆる使用環境に耐えることはできません。
そのため、目的に応じ、表面を保護する皮膜をつける必要があります。

このアルミニウムに耐食性や耐摩耗性を付与し、着色をして装飾することを目的とした表面処理が、アルマイト処理です。

電解中にアルミニウム自体が酸素と反応して、酸化アルミニウム(アルミナ)が素地に強固に皮膜として形成されます。 見方を変えれば、アルマイトとは、自然にできるアルミニウム表面の酸化皮膜を強制的に厚く付けることであり、 また、金属であるアルミニウムとセラミックの一種である酸化アルミニウムとの複合材料であるともいえます。
アルマイト皮膜は硬く、また、生成の過程で微細孔が多数できるため、 この微細孔を使って着色・すべり性・撥水性などを付与することができます。 (微細孔は封孔処理工程で閉じることができます)

アルミニウム素材としては、一般アルミ、押し出しアルミ、アルミダイカスト(ADC)に有効です。
※ADCに対しては、パルス方式の処理工程にて均一な仕上がるを実現しております。

一般的にアルミニウム表面の高耐摩耗性(高硬度)装飾性(均一光沢仕上げ)電気的特性(絶縁皮膜)を目的とします。
5〜20μmの薄膜でアルミニウムの防錆耐擦過性耐食性の向上効果が得られる為、建材、工業製品一般、家庭用品まで幅広いアルミニウム製品に施工されております。